恐怖のリアル鬼ごっこ! 超簡単あらすじ解説Part.002『ノーカントリー』

2025年2月8日土曜日

クライム サスペンス スリラー ホラー

t f B! P L
ノーカントリー

作品情報

公開年: 2008
監督: ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
キャスト:
トミー・リー・ジョーンズ(エド・トム・ベル)
ハビエル・バルデム(アントン・シガー)
ジョシュ・ブローリン(ルウェリン・モス)
ウディ・ハレルソン(カーソン・ウェルズ)

上映時間: 122分

あらすじ

メキシコ国境に近いテキサスの荒野に横たわる死体と、残された大金200万ドル(日本円で約3億円。。。)帰還兵の男は、危険と知りつつそれを持ち帰ってしまう。そしてそれがきっかけで、冷酷な謎の暗殺者に追われる身となる。

謎の暗殺者が迫りくる感じが、コーエン兄弟の作品だけあって、まじでコエーんです。。。年齢制限(R15+)があるにもかかわらず、たくさんの賞を獲得している作品。サスペンス、スリラー、クライム、、、いろんなジャンルが折り重なりめっちゃ独特な世界観をかもし出しています。この表現はなかなかないのでぜひ観て欲しい。

見た目で判断してはいけません!

3人の男たちが追いかけっこする話。わかりやすくするとこんな感じ。

大金を偶然発見してしまい持ち逃げした男=モス
 ↑それを追う
組織から大金の回収を命じられた殺し屋=シガー
 ↑それを追う
地元の定年間近のおじいさん保安官=ベル

この映画、設定からしても見た目は地味。感情移入する間もなく淡々と物語は進んでいきます。でも気づいた時にはあなたの心臓は高鳴り、スクリーンから目が離せなくなっているはず。単純に見た目で判断していたことを後悔することになります。。。

個性的な登場人物

モス

見た目は普通のおじさん風。ベトナム戦争の帰還兵でそこで培った戦闘技術や武器の扱いなどにも精通していて戦闘能力も高め。また熟練のハンターという側面もあって獲物を狩るための追跡術などそのあたりの知識、経験も豊富な見た目は地味だがサバイバル能力=”生命力” がとても高い人物。偶然にも大金発見し持ち逃げしてしまう人。

シガー

見た目はおかっぱ頭のおじさんなんだけど、モスを追いかけるプロの殺し屋。しかもめちゃサイコパス。。。ですが実はかなりの切れ者で、野生の勘というか経験からくるものなのか詳細は分かりませんが、相手の先を読む力が半端なくて、モスの行動を先読みしてじわじわ、じわじわーっと追い詰めていきます。また、殺し屋というと銃・ナイフなどそんな武器を思い浮かべると思いますが、この人はめっちゃ独特な武器を使います。詳しくは控えますが、クセのかたまりのような人物。

ベル

定年間近の田舎のおじいさん保安官。事件を聞きつけたベルはモス助けるために二人を追跡することに。見た目は地味なおじいさんなんだけど、ベルも実はかなりの切れ者で、高い知力と洞察力、歳を重ねることで得たであろう鋭い観察力は現場を見ただけで、何が起こったのかを的確に推測してしまいます。何かとんでもない事態が発生しているという不穏な空気を瞬時に察知し、繰り広げられているバトルに半ば興味を持ち始め出してしまいます。そんな隠れスキルを駆使してモスとシガーの次元の高い鬼ごっこに食らいついていってしまいます。大きめの警察署で働いていたらとても活躍してしまいそうなぐらいの実はとても敏腕な保安官。

実は次元の高いハイレベルな追いかけっこだった!

紹介した通り3人はとても高い能力を持っている、という事が徐々に判明していきます。実際にはまだ会ったことがない筈なのにもうすでにお互いの存在を熟知しているかのように目に見えない戦いを繰り広げていきます。
シガーの追跡能力は理不尽さを感じさせる具合に、ホラー映画さながらで、どんどん、どんどん追いかけてきます。ですが、モスも全く負けてません。どこに逃げても""がすぐそばにいる。物音ひとつで死が決まる極限の緊張感の中での攻防戦は、最初の方はドキドキしますが、モスなら何かやってくれるだろう。という一種の安定感もじょじょに心地よくなってきます(笑)

最後に

『ノーカントリー』は、一見シンプルな追いかけっこのようでありながら、緊張感のあふれる生死をかけた心理戦が繰り広げられる作品でした。”生きたい”と願い行動するモスに対して、残忍な "破壊者" シガーが迫り来る感じを"傍観している"モス、三者三様の視点が絡み合い、観る者を不穏な世界へと引き込んでいきます。特に、シガーの不気味さと理不尽さは、映画を観終わった後も強烈に記憶に残るはず。最怖の悪役です。決して派手なアクション映画ではありませんが、じわじわと忍び寄る恐怖や、運命に翻弄される人々の姿が、独特の余韻を残してくれます。

コーエン兄弟ならではの映像美や、無駄のない脚本、そして演技派俳優たちの圧倒的な存在感。まさに「観るべき映画」と言えるでしょう。もしまだ観ていない方がいたら、ぜひこの唯一無二の世界観に飛び込んでみてください!

では、また!

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